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『かわらの小石の図鑑』千葉とき子・斎藤靖二著・東海大学出版会

かわらの小石の図鑑  河原を歩いていると、落ちている小石につい目がいく。川の水に洗い流されて、楕円形のいい形になっている石は、書道などしなくても文鎮にぴったりだと思ったり、メモ用紙をおさえておくのにちょうどいいと思って、記念に持ち帰ったりする人もいることだろう。

 この本はそんな石たちの出自来歴を知るための一冊。石の色や表面の模様などから、どのようにして生まれた岩石かがわかるようになっている。具体的な河川として、関東地方の荒川、多摩川、相模川をあげ、そこで採れる(拾える)小石も列挙されている。

 似たような楕円形の石でも、深い海底にたまった細かい泥からできたものだったり、火山灰が固まってできたものだったり、あるいはゆっくり固まったマグマそのものであったりする。陸地から遠く離れた深海底に、動物プランクトンの放散虫が積もってできた石(チャート)などは、それがどうやってこの河原にまで来たのかと考えるとなかなか想像力を刺激してくれる。

 また、模様からも石はその生まれを語ってくれる。泥でもが刷り込まれたかのような茶褐色の部分は、かつてその石が溶岩だった時に、大気に触れた痕跡であったり、時には大昔の地滑りの跡を残していたりする。

 旅先から拾ってきた小石を手に、卓上でもう一度、地球規模の旅が楽しめる一冊だ。

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