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■『きのこ博物館』根田 仁著・八坂書房
「食えるか/食えないか」「美しいか/美しくないか」で判断するフィールドガイドとは異なり、『和漢三才図会』や『本草綱目』などの過去の文献にキノコがどう書かれているかを緻密に取り上げることによって、人とキノコの歴史的関わりをあぶり焼き(じゅ〜〜っ)…じゃなくって、あぶり出す。例えば、店で売られている「しめじ」は実はヒラタケで、「ほんしめじ」の商品も本当のところはブナシメジであり、シメジという和名を持つキノコは存在せず、一方、ホンシメジというキノコは存在するが、それは現在でも栽培がままならないという、「しめじ」ひとつとっても混迷するキノコ情勢。筆者は江戸時代の文献をひもときながら、“もともとは、類似の食用になるきのこをひっくるめてシメジの名で呼んでいたのかもしれない”と推察する。 このほか、エノキタケというのも野生の物は堂々たる褐色のキノコで、我々が見ているのは“もやし”状態になったものに過ぎないとか、古代中国では、キノコは突然現れてやがて跡形もなく消えてしまうことから、吉凶いずれかの兆しとされていたとか、木こりが山に入ると尼僧が舞いながらやってきた。わけを聞くと、山道に迷って空腹のあまり、このきのこを食べたら急に躍りたくなった…だからマイタケ(このきのこ絶対ヤバい…)――といったエピソードが豊富。 キノコ汁とかキノコの炊き込みご飯などの食前食後におすすめだ。 |
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