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■『全国動物園水族館ガイド』日本動物園水族館協会監修・日本テレビ
なにゆえ日テレがこのような本を出しているのかよくわからないのだが、監修が(社)日本動物園水族館協会ということからも予想がつくように、まるで役所が作ったかのようなお堅いつくりである。同協会に加入している動物園や水族館155館あまりを、各館について「飼育動物数」「沿革と概要」「特徴のある施設と動物」などの項目を並べ、「飼育動物数」は哺乳類何種、鳥類何種、計15種51点といった具合に、たんたんと紹介している。さすがにこれだけでは気が引けたのか、『おもしろ動物百科』というコラムが各館毎に設けられ、「人気者のワニ」や「頭脳明晰!?ウサギのピョンコ」といった各館自慢を載せている。
だが、お堅いからといってつまらないかというと、さにあらずで「沿革と概要」などもちゃんと読んでみると、“昭和22年の猛火により、市街地の大半を焼失し、その後市街地の一部が公園になった。そこでサルや小鳥を飼い、現在の動物園の前身が誕生云々”など、その施設の思わぬ由来を知ることができる。また、大きな特徴として、園内の見取り図が掲載されている。これがまた味もそっけもない、まるで駅構内案内図のようなシロモノで、一見ちっとも楽しさが伝わってこない。しかし、現地の光景を思い浮かべながら訪れるのが旅の楽しみの一つだとすれば、この無粋なマップから「ここに猛禽舎、ここに放飼場」などと現地を一所懸命思い浮かべて訪れてみるというのも、また楽しいことではないか。 最近は、きれいなカラー写真と現場をことさら美化したノリのいい形容詞とに囲まれたガイド本が氾濫していて、そういった想像力を働かせる機会が減ってしまっている。 予断を排した素朴さとでもいおうか、そんな頑固さをこのガイドは持っている。 |
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