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ボーリング調査  「琵琶湖のおいたち」のゾーンへ進み、ゾウの化石などを見ていると、なんとボーリング調査のプレハブまで復元されている。
 琵琶湖の地層調査での地下1000mに及ぶボーリング作業の展示で、ここまでやるか、という気もするが、調査・研究の現場ですら再現してしまうところに意気込みを感じる。ボーリング調査中のスナップ(みんなで弁当食ってたりする)のパネルもほほえましい。
 しかも、作業着やヘルメットが置いてあり「記念撮影をどうぞ」という。作業着を羽織ってみる。気分は「明和電機」だ(←違うだろ)。
琵琶湖博物館  で、こちらは「研究室」ではない。研究の現場の再現展示なのである。研究の展示は研究室らしいところで、という考えもしゃれている。
 パソコンのモニターもダテではない。パソコンかぁと思って通り過ぎようとすると、展示解説文が浮かんでは消えていくのだ。引き出しを開けるとそこにも展示があった。
琵琶湖博物館  このコーナーに限らず、この博物館の解説文はどこからあらわれるかわからないので、あなどれない。
 富江さんの家では物干しに干した布団やわきに置いてある洗濯板に、里山の展示では木の葉の吹き寄せに解説文があるのだ。屋外のトイレのなかにまであった!職人魂(学芸員魂?)を感じさせてくれる。
湖の幸  館内をまわって、「水辺のくらしと琵琶湖の自然」のコーナーに行くと、琵琶湖に浮かぶ沖島をテーマに、四季折々に獲れる湖の魚介類やその料理が模型で展示されている。ナマズのすき焼きやコイのあらいに卵をまぶした子付けなます、シジミの酢ぬたなどが並ぶ。樽で漬けているフナズシの断面模型まである。
 ここでさっき見てきた魚類の展示が思い浮かび、普通の水族館だけを見ているときに感じる物足りなさを補ってくれる。

 水族館は、魚がそこに「いる」というだけで終わってしまっている施設が多いが、その点ここは、その魚のいる海や湖というのは、どんなところなのか。どういう環境の中で育ち、また進化してきたのか。その魚は、地元の漁業や民俗行事とどう関わってきたのか――というようなもう一歩踏み込んだ展示を見せてくれるのだ。“琵琶湖歴史博物館”とか“琵琶湖自然史博物館”などの普通に考えられる文系理系のごとき枠組みで切らずに、琵琶湖そのものを、本来の“博物”という言葉通り、オールジャンルを包み込む強みで、すっぽりと丸ごとおおっているのである。博物館の長所がフルに活かされている施設といってもいい。
琵琶湖博物館  滋賀県でいう「琵琶湖」に相当するものは、各地域ごとにもあるだろう。博物館や資料館、水族館、植物園などが提携しつつ、それを表現するというスタイルをとれば、各地域毎に、この琵琶湖博物館のような魅力ある施設がつくれるのではないか。
 関東に住む筆者としては、「葛西臨海水族園」が老朽化した暁には、ぜひ「東京湾博物館」を建てて欲しいものである。
  琵琶湖博物館
  ■住所 滋賀県草津市下物町1091
  ■開館時間 9:30〜17:00(月曜休館)
  ■TEL077-568-4811
  ■入館料 600円
  ■交通 JR東海道本線草津駅よりバス20分

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