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品川の異世界スポット 東京海洋大学海洋科学部附属水産資料館(東京都) |
![]() 品川駅を東口、即ち海の方に降り、しばらく歩く。風になんとなく潮の香がまじってきたかと思われる頃、東京海洋大学品川キャンパスが見えてくる。東京商船大学と合併して現校名になったが、昔を知る人には東京水産大学と言った方がわかりやすい。 |
水産“資料館”というと、文献資料が並んでいるだけのショボそうな印象があるが、大学専用の港と海洋調査船をもち、戦前からずっと学術調査を行ってきている大学だけあって、内容も豊富でちょっとした自然史博物館並みなのである。特徴的なのは展示の幅の広さで、船の模型から魚類の標本、あざらしやペンギンの剥製、貝のコレクションに、漁具の展示等々が、ぎっしりと陳列されている。遠洋航海中に捕獲されたサメの剥製とか、海底火山の噴火に遭遇した時の溶岩など、水産大学らしい展示品もある。 |
水産大学らしいといえば、スルメやタタミイワシの「標本」。身欠鰊に利尻昆布、フカヒレまでもが大真面目に瓶に詰められて展示されているのである。一瞬、驚かされるが、海産物食料は水産大の重要な研究対象なのだ。惜しむらくは、決して旨そうには見えないところ…。さらにショッキングなのは、かつお節の「模型」である。“標本”ですらない。実物大1/1スケールの精巧な(?)フィギュアなのである。一体なぜこのようなものがと思わされるが、それにはちゃんと理由がある。かつお節は筋肉の方向に沿って削らないときれいな節ができない。その削る方向を教えるための教材なのだ。 そういえば、東京大学の総合博物館でも乳牛の模型が展示されていた。牛の種類を教えるためなのだという。まず模型で教え、そして実物に触れるという、「学問研究」の原点を、このかつお節フィギュアは語っているような気がした。 |
各種学術調査の標本類も目玉である。昭和30年代に水産大学がおこなった南極やガラパゴス諸島の学術調査の最新成果(ただし当時)が展示されている。とくにガラパゴスは、テレビなどではゾウガメとイグアナぐらいしかとりあげないが、ここではガラパゴスに棲むカイやカニ、魚などの実物(標本)が見ることができる。今日では入手困難と思われるウミイグアナなど希少種の標本が、調査時の年代を感じさせる古い木枠のケースの中に収まっている。 品川駅からたった15分歩くだけでこんなところに行き着くのだ。心なしか時間がゆっくりと流れているように感じられる(ほかに客がいなかったせいかも知れないが…)。 雑踏を忘れて気分を切り替えたいときなど、迷わずここにくるとよい。海の向こうから渡ってきた標本たちが黙って迎えてくれるだろう。 |
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東京海洋大学海洋科学部附属水産資料館 ■住所 東京都港区港南4-5-7(東京海洋大学品川キャンパス内) ■TEL 03-5463-0430 ■開館 9:45〜16:00(土・日曜・祝日、第2・第4木曜、年末年始休館) ■入館料 無料 ■交通 JR山手線品川駅東口より徒歩15分 ◆隣接した「鯨ギャラリー」には全長17mのセミクジラの骨格標本が展示されている(このページの一番上の写真)。完全な骨格標本としては世界最大級とのこと。 |
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