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ビルの下に隠された東京本来の地形を体感 港七福神(東京都) |
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「港区七福神」「麻布七福神」とも呼ばれ、「宝船」を擁しているところが珍しい。六本木ヒルズから各国の大使館が建ち並ぶ元麻布を抜け、麻布十番を経て最後は東京タワーに至るというランドマーク感たっぷりの七福神だ。 まずは六本木一丁目にある「久国神社」(布袋尊)から。おみくじが今時なんと10円と良心的!最後に立ち寄った芝の増上寺は200円も取っていたから、20倍もの価格格差がある。これだけで、久国神社の好感度アップである。木々の茂る崖を背にして横長の境内が展開。社務所は昭和30年代風の木造家屋、近くには土蔵なども建ち、高層マンションがひたひたと迫る中にあって、日だまりのような別世界になっている。でも本来、六本木とはこのようなのんびりとした場所なのであろう。 |
六本木通りを進み、福禄寿の「天祖神社」へ。入口に“竜土神明宮 天祖神社”というテレビ朝日奉納の大きな碑が建つのはさすが場所柄。さきほどの「久国神社」に比べて、コンクリで舗装され、木々がほとんどないような明るい境内ではあるが、お稲荷さんだけはうっそうとした風に作り込まれて(写真)、聖域巡礼の気分を盛り上げる。続いて西麻布方面へ進み、寿老人の「櫻田神社」は源頼朝の命により1180(治承4)年創建と伝わる。おみくじの自動販売機に貼り紙が。“百円玉は祈りを込めてそーっと入れましょう。もしも出なかったり、二枚出てしまった時は、速やかに社務所まで…”メンテナンスに自信がないようだ。寿老人像の公開は毎年1/1〜8まで。 ここから次の「氷川神社」まではちょっと距離があり、15〜20分ほど歩くことになる。大使館や高級マンション、麻布高校の脇を歩いていく。“高級住宅街!”という自負があるのか、マンションのどの家庭も冬だというのにベランダを花で山盛りにしている。ベコニアの赤が目にまぶしい。 |
「氷川神社」に着いた。絵馬がやたらいっぱい奉納されている。幼い字で書かれたものも多い。そのほとんどがセーラームーン関係だ。毘沙門天顔負けである。ここは麻布総鎮守の氷川神社で、渋谷や赤坂といった有名どころとは違うのだが、それでもこの繁盛。あと300年も経つと、「ウチはなんでこんな女神像祀ることにしたんだっけ?」などということになるやも知れない。危うし!毘沙門天。ところで先ほどから歩いていて、妙に威圧感のある視線を感じる。視線の方向を見上げると、高さ102.95mの免震超高層マンション「元麻布ヒルズ」が氷川神社の社殿越しに町を見下ろしていた。中途から逆三角形にふくらんでいるところが、なお威圧的で、まるでバベルの塔だ。 |
氷川神社から一本松坂、大黒坂と下り、元麻布ヒルズの視線からやっと遠ざかった所に、大黒天を祀る「大法寺」。近所の子どもが路地で遊ぶなど、アットホームな光景が広がる。さらに坂を下っていくと麻布十番商店街。童謡で歌われた“赤い靴はいてた女の子”のモデルである「きみちゃん像」の真っ正面に出る。アメリカ人宣教師の養女に出されたきみちゃんは、実際には病気のためアメリカに行けず、今の十番稲荷神社付近にあった孤児院にて9歳で亡くなった――と像の碑文に記されている。さて、「十番稲荷神社」は七福神めぐりでも珍しい宝船を祀る。比較的新しい感じの石像の宝船が入口にある鳥居の脇に鎮座している。目を離すとふらふらと漂流していくと見えて、まわりを柵で囲ってある。本殿は急な石段を登っていった上。マンションが群れ建つ斜面の途中に、わずかにのりしろのようなスペースをつくって、社殿が張り付いていた。 |
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恵比寿を担当する「熊野神社」までは若干距離があるので、時間が惜しい人は、麻布十番から赤羽橋まで地下鉄に乗ってもいい。赤羽橋から北へ向かう登り坂は「土器坂」と呼ばれている。 土器は“どき”ではなく“かわらげ”と読む。昔このあたりで赤土がとれたそうで、そのため土器(かわらげ)職人が住んでいたことにちなむという。神社はこぢんまりと落ち着いた感じ。 ここから芝公園の宝珠院を目指す。「東京タワー」はもっと迫力ある感じでそびえているかと思ったが、まわりの小さなビルに視界が遮られて、なかなかうまく仰ぎ見ることができない。 |
やがて芝公園の西端、駐車場かと思われるスペースの奥に真っ赤な建物が見えてきた。「宝珠院」は弁財天のほか、1685(貞享2)年の作と伝えられている閻魔大王像が祀られているので、こちらも拝観。かくしてめでたく参拝を終える。増上寺の側へまわれば、大門を経て浜松町に抜けられる。森ビルを中心とした“再開発”の現場を縫うように歩いてきただけあって、上を見上げる機会の多い七福神である。同時に、てくてくと歩くことで、ビルの下に隠れた坂とか谷といった東京本来の地形を意識させてくれるコースでもある。 |
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