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桃太郎の聖地ここにあり
桃太郎神社(愛知県)

桃太郎神社

桃太郎誕生

 もし「桃太郎といえば岡山」と何の気なしにでも思っている人がいるとすれば、愛知県人、なかんづく犬山市民から、猛烈な反駁を食らうに違いない。

 なぜならば、愛知県犬山市においては、桃太郎の3匹の家来が住んでいた「犬山」「猿洞」「雉ヶ棚」という地名に始まり、鬼の使った“金棒”、“鬼の珍宝”なる秘宝、さらには鬼の頭骨写真やおばあさんの“足跡”など、鬼と桃太郎の実在を示す多くの証拠が現存しているのである。

 その中心地となっているのが、ここ「桃太郎神社」だ。

これがおばあさんの足跡だ!  鳥居の前では、生まれたばかりの桃太郎が万歳をして出迎えてくれる。
 脇には、おばあさんが毎日この岩の上で洗濯をしていたという「洗濯岩」がある。木曽川岸から運んできたというその岩には、大きなおばあさんの足跡がしっかりと刻まれているのだ。
 それにしても見事な足跡である。そばに置いたポケットティッシュと比べてみてほしい。

桃太郎神社 桃太郎神社 桃太郎神社

 境内に足を踏み入れると、全国でも珍しいであろうと思われる“桃型鳥居”に驚かされる。
 さらには、見事なコンクリート造りのジオラマが、桃太郎の誕生からその凱旋までを描き出している。
 境内の一角には「宝物館」があり、前述の鬼の金棒などが展示されている。かつては“宝物を運んだ荷車の車軸”(!)や“おじいさんとおばあさんがきびだんごをついた臼と杵”(!)まであったというが、残念なことに十年ほど前の火事で焼失してしまった。
歴史的著名人訪問写真  本殿には、神社の由来や「その後の桃太郎」といった解説板に加え、歴史的著名人が訪問した時の写真などが飾ってある。
 後者は、日本の人類学の祖でもある考古学者・ や明治期最大の児童文学者である童話作家・ の写真をさりげなく飾って、ちょっと得意げである。
桃太郎神社

 桃は古来、霊力を宿し邪気を払うといわれていた。そのルーツは古代中国にまでさかのぼり、やがて道教の強い影響を受けて“仙果”として神聖視されるようになった。
 現在の日本でも、道教の影響が強い「黄檗宗」の寺院には屋根に鬼瓦のかわりに桃をかたどった瓦が載っていたりする。

 果実としての桃は、弥生時代に渡来し、奈良時代にはすでに栽培が行われていたというから、その霊力信仰もともに伝わったのだろう。
 中国で生まれた“桃パワー”が果実といっしょにドンブラコとやってきて、この木曽川のほとりで“桃パワー”を持った少年「桃太郎」を生み出したと考えると、そのご利益のスケールもまた大きく感じられるというものだ。

 境内には丸い絵馬が無数に下げられている。安産の祈願や御礼といった親のものから、「希望校合格」などの子のものまで、さらには小学生の描いた愛らしい桃太郎の絵も奉納されている。太古の“桃パワー”は、子どもの守り神として、今なお、親と子の双方から厚い信仰を受けていた。


  ■住所 愛知県犬山市栗栖字古屋敷
  ■TEL0568-61-1586
  ■参拝 境内自由。宝物館のみ入館料200円
  ■交通 名鉄犬山線犬山遊園駅よりタクシー5分

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