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見事!人造の断崖絶壁 鋸山(千葉県) |
南房総の東京湾入口側にそびえる標高329mの「鋸山」。 眼下の金谷の町並みがみるみる小さくなり、フェリーが発着する港は、まるで箱庭のようだ。沖合には海を越えて三浦半島が広がる。 |
「鋸山」は、かつて房州石を切り出した石切場があったため、そこここに断崖絶壁が立ち並んでいる。遊歩道に沿って、鬱蒼とした切り通しを進む。見あげると、ポツンと通称 の展望台がせり出している。壁面に彫り込まれた「百尺観音」は、1966(昭和41)年に6年の歳月をかけて建立したものだという。ちょっと「バーミヤンの石仏」を彷彿とさせる。 コースはやがて急登にかかり、さっきの「地獄のぞき」の展望台が目の前に見えてきた。切り通しの下から上まで登ってきたわけだ。 |
このような断崖絶壁であるが、これらは自然に創られたものではなく、石切場として石を切り出していくうちに人工的に築きあげたものだ。先端に立てば、「よくぞここまで切り出したものだ」という感慨に足がふるえる。同時に、遊歩道の柵が、海から吹き寄せる潮風のせいか、 して、なお一層涼しい気分にさせてくれることうけあいだ。 ところで、さっきからやたらと登ったり降りたりする。言ってみれば、ノコギリの刃の部分を歩き回っていることになるわけで、距離の割には足腰が鍛えられるようになっているのだ。 |
やがて、崖(というより巨岩)を穿つ隧道に沿って、無数の石仏が出迎えてくれるコーナーがある。これが「千五百羅漢」。1779(安永8)年から20数年かけて刻まれたという石仏が安置されている。ガイドブックには総数1553体と記されているが、今から十年ほど前、住職が「最近どうも数が少ないな」と思って数えなおしたところ、かなりの数がいなくなっていたという曰く付きの石仏である。 もちろん、自ら世をはかなんで旅に出てしまったのではなく、心ない人々によって盗難に遭っていたわけだが、現在、総定数1500議席の定員割れが起きているのではないかと憂慮される。 |
山頂の外れの方には、行基開山と伝わる「日本寺」がある。“奈良の大仏よりも大きい”ことから「日本一の大仏」と称している大仏像は石仏・石大仏としては日本一の高さ31.05m。房州石(凝灰質砂岩)は、加工しやすいうえに耐火性があったことから、セメントが主流になる大正期以前まではよく利用されていたのだが、こういう加工しやすい材料を見るとインスピレーションが湧くのは昔も今も同じなのか、この大仏は、先ほどの「千五百羅漢」がまだコツコツと刻まれていた1783(天明3)年に造られている。 |
さて、またノコギリの刃を上り下りして、山頂駅に戻る。ロープウェイの山頂駅には、房州石や石切場についての展示コーナーがある。 石切場で使っていた道具や、房州石がどのような建築物に使われていたのかなどが、簡潔に展示してある。房州石は、横浜居留地などを造るのにだいぶ活用された。鋸山を文字通りノコギリの刃のようにしたその“要因”がここに展示されているので、忘れずに見ておきたいものだ。 |
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鋸山 ■住所 千葉県富津市金谷 ■ロープウェイの営業時間 9:00〜17:00(季節により変更あり) ■TEL0439-69-2314(鋸山ロープウェイ) ■料金 ロープウェイ:片道500円(往復900円)、日本寺:拝観料 500円 ■交通 JR内房線浜金谷駅下車。徒歩10分の山麓駅から鋸山ロープウェイで4分 |
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